映像制作ユニット「トーキョースタイル」を立ち上げ、イベント映像の制作や、 舞台演出映像を数多く手がけているアーティスト、ムーチョ村松氏に、ArKaosVJを使った感触や 魅力についてお話をうかがいました。

大人計画「ウーマンリブ先生」(サンシャイン劇場)の舞台裏

今回は、2006年11月2日から19日まで池袋サンシャイン劇場にて公演されていた「大人計画・ウーマンリブ先生」(宮藤官九郎 作・演出)の映像を担当したトーキョースタイルのムーチョ村松さんにお話しをうかがいました。この公演には、ArKaos VJ3.6が使われましたので、導入例としてご紹介したいと思います。 通常は、客席後ろの調光室から投写することが多いのですが、プロジェクターと自作WindowsPC各3台を舞台の裏側に設置し、裏打ちでの演出でした。

芝居にマッチしたソフト

─映像に携わるようになったきっかけを教えてください。

もともと芝居に興味があって演出の勉強をしていました。25歳頃、Apple Power Mac 7500にミロモーションつんで映像をやり始めたのがきっかけです。

─なぜArKaosにたどりついたのでしょうか。

まず、解像度を自由に設定できるソフトだということが大きいです。「映像」「解像度」をキーワードにいろいろと検索していました。検索しているうちにArKaosに出会ったという感じです。PC上で作業して、いろんなシチュエーションに出力するわけですから、やはり解像度は自由に設定できたほうがいいですね。それにCPUがDual coreになったということもあり、安定していて、タイムラグがないことが現場では必須です。さらに、ポン出しやコマ設定が楽にできて、ArKaosは、VJってついてるけど、とても芝居にマッチしたソフトだと思います。

ArKaosVJ MIDIコントロール
舞台の裏側にセッティングされた3台のWindowsマシン。MIDIキーボードの鍵盤を押して3台を同時にトリガーし、3つの映像の動きを確認していく。

─作品を作るときからArKaosを意識していたのですか。

もちろんArKaosを使うということを前提に今回の作品も作りました。また、仕事では予算との兼ね合いもありますので、限られた予算の中で映像を作り上げていく上でもArKaosは現場向きのソフトだと思います。

─今回のシステムについて教えてください。

横長の映像を3つに分割して3台のプロジェクターから投写しました。PCは、自作のWindows 3台。それぞれArKaosをインストールし、USB-MIDIインターフェイスを繋いでいます。メインコントローラーは、M-AudioのMIDIキーボード(M-Audio Oxygen 8 v2)。MOTUのMicro Expressを使ってPC3台へMIDI信号を送って同期させています。鍵盤を押すと、3つの映像が同時に動くというしくみです。

Apple Mac Book Proでの可能性

─ArKaosへの要望、今後の抱負など聞かせてください。

簡易でもよいので日本語版があるといいですね。それからマウス操作ができたらいいのにと思うこともあります。今後は、やはりDMXの可能性を試してみたいです。照明シャッターの制御やストロボ、ムーディングもDMXで制御してみたいですね。また、こういった舞台裏などでは、スペースの制限もありますし、Apple Mac Book Proを持ち込みたいですね。Apple Mac Book Proの限界や、可能性についても知りたいです。僕の作品の方向性としては、世界で誰もやっていないようなことに挑戦していきたいです。ギネスに挑戦です。

■プロフィール
ムーチョ村松
1974年生まれ。静岡県出身。映像作家。学生時代は映画・演劇サークルにて常に「笑い」を研究。劇団の主宰、作・演出も務める。その後数年間、コントライブの映像を監督・撮影・編集し、会場では必ず笑いの渦が起こる。 2002年、映像製作ユニット(のちに会社)「トーキョースタイル」を立ち上げ、イベントや舞台映像を手がける。 2005年、初監督映画「ダンカン」が第8回インディーズムービーフェスティバルに入選、最終選考で全国3位に決定する。
トーキョースタイル
Official Web Site : tokyo style
デザイナー/吉田りえと共に映像、グラフィックなどで活動。撮影、公演時にはそれぞれの分野で活躍するメンバーが集まる。
■作品歴
劇中映像
・日テレ海の家 TV CF「SEA ZOO」(2002年/日本テレビ)
・河原雅彦/演出
「青木さん家の奥さん」(2003年/青山円形劇場)
・長塚圭史/作・演出
阿佐ヶ谷スパイダース「はたらくおとこ」(2004/下北沢本多劇場)
・長井秀和「MONOMANIA」(2004/青山スパイラルホール)
・宮藤官九郎/作・演出
ウーマンリブ「轟天vs港カヲル」(2004/池袋サンシャイン劇場)
・吹越満「mr.モーションピクチャー」(2005/青山スパイラルホール)
・宮藤官九郎/作・演出
ウーマンリブ「七人の恋人」(2005/下北沢本多劇場)
・松尾スズキ/作・演出
大人計画「まとまったお金の唄」(2006/下北沢本多劇場)
・吹越満/フキコシソロアクトライブ「XVII」(2006/原宿クエストホール他) 映画
・初監督映画「ダンカン」第8回インディーズムービーフェスティバル入選
■ArKaos 製品情報
ArKaosVJ MIDI
ArKaosVJ 3.6.1 MIDI
MIDIコントロールに完全対応したVJソフト。MIDIキーボードで映像をコントロールでき、Rewire対応でDAWソフトウェアとも同期可能。パフォーマンスを記録・再生するイベントレコーダを搭載。マルチカメラインプット・マルチスクリーン・マルチプロジェクションにも対応。
■インタビュー バックナンバー
第一回 ムーチョ村松
「世界で誰もやっていないようなことに挑戦していきたい」
第二回 一楽儀光
「元気に楽しくやりましょうってことですね」
第三回 高橋哲人
「どこに位置づけるかで機材の性質は変わる」