2004年頭にインスタレーション作品『G-SPOT』を発表。その時代のオタク観に問題提起し、全てをさらけ出し自らをも切り裂く作品は物議を醸した。またその一方でCM、映画VFX、コンサート映像等にも携わっている。アートの境界線を自由に飛び越える高橋さんの映像・音楽観、そして機材観に迫った。
G-Spot

音と映像の相乗効果
------「脳みその同じところを使っているんじゃないのか?」

「音楽を聴いていると頭の中にぶわっと映像が流れてきませんか?音楽をやることで絵は豊かになるし、絵を描くことで音も豊かになると感じます。」
いわゆる絵の具の赤や青とは違う『色』の感覚が音にはある、と高橋さんは語る。
「料理好きなんですが、カレーの香辛料の調合がCGのテクスチャ(質感)づくりにすごく似ていて、意外と関係なさそうなところで同じ脳を使っているんじゃないかと。料理やってCG上手くなったりとか(笑)。冗談じゃなくて真面目にあると思うんですよ。」

コンピュータで「描く」感覚
------「同じ『絵を描く道具』のひとつ」

自身の制作活動の傍ら、母校の多摩美術大学でCG制作を教える。はじめてCGを触る美大生を相手に感じることは?
「はじめは筆がマウスに変わった途端に絵づくりをしなくなる。CGという画材で絵を描く感覚が大切で、構図や形の把握など他の画材と変わりません。」
この感覚を大事にするため、はじめからテンプレートをトレースさせたりせず必ず紙にスケッチしてモノの成り立ちや構造を把握するよう指導しているそうだ。
「他の画材で絵を描いてきた学生に基本を教えればCGでも上手く描けるようになります。」
スライドや紙も使用するなどデジタル、アナログの境界にとらわれない制作を行う。
「デジタルの面白いところはサンプリングしてしまえば音も絵もテキストも同列に扱えることです。この危険な可能性が面白いと思っています。」

G-Spot/六本木ヒルズ G-Spot/オーストラリア
つい先日オーストラリアの展覧会ツアーが終了。随分前にテーマにしていたことなんで今は違う方を向いている、と自身は語るが、街中のビルや映画館のロビーに突如姿を表すロボの装甲は、依然メタリックに輝いて人々を魅了する。
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■プロフィール
高橋哲人
―Tetsuto Takahashi―

Official Web Site : TETSUJIN
1978年日本生まれ。
映像音楽家(Audio Visual Artist)として日本、オーストラリアで活動。2004年多摩美術大学卒。映像制作プロダクションにて映画、明日の記憶、恋愛写真、世界の中心で愛を叫ぶなどのCGIやEOS Kiss デジタルX、ベンザブロック、Train Simulator、SoulheadなどのCFに携わった後独立。サディスティックミカバンド、土屋アンナなどのコンサート舞台映像を手がける。また、「G-SPOT」がヴァージンシネマ六本木ヒルズ(現TOHOシネマ)やオーストラリアStraight out of Brisbaneに招待出展するなど、国内外で活躍。気鋭のアーティストとして高い評価を得ている。 プロダクション入社後事実上作家活動休止状態が続くも、再開させるべく2006年にアトリエTESUJINを立ち上げる。お笑い芸人「エレキコミック」さんとのコラボレーション作品「花火大会」が放送されます。
BS Japanにて10月12日より放送開始:
天下統一CG将軍
■作品情報
G-Spot G-Spot
2003年制作、インスタレーション
昨今の萌えブームで取り出たされるオタクの閉鎖性、真実をメカオタクである自身が斬る。スライドプロジェクタの機械音と共に映し出されるオタク記号によって再構成されたロボットは観客を挑発し自ら切腹してしまうがその直後再び再構築される。破壊と再構築は永遠に繰り返される。その背景に秘められたのはオタクのニュータイプへの覚醒である。
■インタビュー バックナンバー
第一回 ムーチョ村松
「世界で誰もやっていないようなことに挑戦していきたい」
第二回 一楽儀光
「元気に楽しくやりましょうってことですね」
第三回 高橋哲人
「どこに位置づけるかで機材の性質は変わる」