次作に込める想い
------「求めていたものが下町にあった」

隅田川のほとりにアトリエを構える高橋さん。現在、次作の制作に取り掛かっている。 どんな作品に?とききたいところだが・・・
「伝えたいことが沢山ありますが、先に言葉では語りません。作品で伝えていきます。世の中では都合の悪いことを隠して片側だけしか見ないことが多いみたいですが、裏があって表があるわけで片側だけでは成立しない。目を覆いたくなるような部分も含めて作品という形ならいい形で伝えられると思うんです。」 そう語る姿にはエネルギーがみなぎっている。土台にあるのは「下町」だ。 「ここ数年で偶然なのか必然なのか、これが運命と言うやつなのか、よくも悪くもいい経験をしました。会社のゴミ捨て場のダンボールで寝泊りする生活の中で、声の掛かった出展のチャンスも失ってしまい、どん底から抜けられなかった。世の中への疑問が次々と出てくるし本当に生き辛くてどうしたらいいかわからなくて。そんな時に浅草の下町に出会ったんです。そこから考え方から生き方から随分変わりましてね。下町の人たちの活気や人情に随分救われました。」

下町の古くて新しいエネルギーが、高橋さんをしっかりと支えている。 「苦悩の連続ですがこれも試練だと思っています。変な話ですが、これまで死に掛けた時にとても大切なものに出会っている気がします。生きる力と根本的につながるものだからなのか、絵や音をやり始めたのもそうなんです。飯を食う以上に遺伝子レベルで震え上がるようなエネルギーを与えてくれるものだと思うんです。今はそこに人の思いやりであったり、日本の伝統文化が入ってきました。昔からの街や伝統芸能を知る方々と話すのが楽しくて色々と学ぶことが多いです。古きよきものと今のものとが出会うことで、また日本の新しいものへと生まれ変わっていくものだと思います。」

アップダウンを経て、ようやくスタート地点に立てたところ。
「本気で人情が一番大切だと思えるようになりました。まだ人間としても作家としてもようやくスタート地点に立てたところだと思いますが、世の中の矛盾や、はたまた僕が出会ってしまった大切なものを大いに反映させた作品をぶつけていきます。」

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■作品情報
The metamorphosis of selfportrait
The metamorphosis of selfportrait
2002年制作、CGプリント
忠実かつ緻密にモデリングした自画像から骨格の特徴を女性へとメタモルフォーゼさせ、自ら女へと変身していまう。女装をすると綺麗に見られたくなってしまうような男の中にもある女性性をテーマにする。
■ArKaos 製品情報
ArKaos LEDマッパー
ArKaos LEDマッパー
ArKaosVJ DMXにLEDパネルへの画像マッピング機能を追加するソフトウェア。市販の各種LED機材に対応し、コンピュータからEthernet経由で直接DMX信号を出力可能。
■インタビュー バックナンバー
第一回 ムーチョ村松
「世界で誰もやっていないようなことに挑戦していきたい」
第二回 一楽儀光
「元気に楽しくやりましょうってことですね」
第三回 高橋哲人
「どこに位置づけるかで機材の性質は変わる」